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犬鳴川清流ルネッサンスキャンペーン開催

 遠賀川水系の水質は全体的には改善傾向にあるものの、依然として上流・中支流の川の水質は改善されていません。平成21年3月、遠賀川水質清流ルネッサンスⅡ高度計画の中間評価・見直しが行われました。

今年度は(平成24年)目標(BOD・透視度)の達成年度となっております。この間「水エコ~川を汚さないために私たちができること~」をキーワードに、学校・住民団体・市町・福岡県・国土交通省遠賀川河川事務所等で実行委員会を形成して「清流ルネッサンスキャンペーン」を開催してきました。

4回目となる今年は、10月2日(火)、遠賀川の支流、犬鳴川上流、上有木川(宮若市上有木公民館)で、宮若市立笠松小学校の4年生児童とPTA・地域住民や関係機関の皆さんが参加して「犬鳴川清流ルネッサンスキャンペーン」が開催されました。

児童たちは、大人の人を班長に、5つのグループに分かれて、犬鳴川の概要や、遠賀川について学習しました。また、犬鳴川の上流(薬研谷)中流(現地)下流(宮若市庁舎前の川)の水をCODパックテストや透視度計を使って調査、その後、上有木川水辺公園に移動、川の水の水質や透視度計を使って、水のきれいさを計りました。また、川の中に入って水中に棲む生き物を調査しました。

水道水に牛乳を一滴入れただけで水質が悪化する実験や上流や下流の水質結果から、自分たちの生活と川の関わり、そして水の汚れの浄化にどれだけの水が必要か、など学習しました。「私たちの周りの川の水は何度でも使われています。使われるたびに川の水の汚れはひどくなっています。皆の手で川をきれいにしていきましょう。お家の人にも伝えてほしい」と話に児童たちは真剣に聞き入っていました。

「一人ひとりが川を汚さない工夫を、小学生ができることを考え、実行してほしい」と講師の先生から。「例えば、食べ物を捨てない、食べきる。飲み物を捨てないで飲みきる。小さなことですがもったいないという思いと、川を大切にする思いは同じです。みんなでできる水エコを話し合ってください」と話された


参加された児童は
班長さんからCODの水質検査や透視度について仕方を教わって調べましたが、どんな結果が出るかわくわくな様子で、「薬研谷は自然な水の臭いがする」「透視度計で調べても透きとおっている」「きれいなんだよ」と話が弾んでいました。

 
犬鳴川や遠賀川の概要を福岡県直方土木事務所の職員さんからお話をしていただいた。 
   
CODパックテストは水をパック(チューブ)に入れて5分程経過して色見本と見比べますが、その時間は間がいように感じられ、どんな色が出るか、結果をみんなで話していました。 きれいなピンク色のままの場合はきれいな水となり、「わーきれいな水だ、よかった」と言ったり、自然な臭いは上流の水だよ」と嬉しそうに話していました。
   
 
 
   
   
 

水生生物調査
川の中に入ると児童の歓声が響きます。 大人の人も楽しそうに魚取りの方法を児童に教えていました。「昔はこうしていつも遊んでいました」と感想。
   
 
   

魚がたくさん取れました。どんな生き物がいるか調べます。きれいな水に棲む生き物としてサワガニ・ヨコエビ・カワゲラ類がたくさんいました。また、カワムツ・ドンコがたくさんいました。川はきれいな水と評価されました。 
 
 

発表
 調べたことを発表します。班から代表の児童がそれぞれの項目に沿って発表です。
 
調べたことを発表できるように記録用紙をボードに張っていきます。
 
各班代表者が発表します。「少し緊張したが川のことを調べて発表できたのはよかった」と発表の感想。みなさんとても丁寧に調べたことを発表していました。大人の班長さんも嬉しそうに見つめていました。

川を汚さないために私たちができること
 」川を汚さないためにどんなことに気をつければよいか、遠賀川河川事務所の職員さんに実験をしながらお話していただきました。実験は「水道水に牛乳を一滴落としたら水道水はどうなるのか」です。CODパックテストではかります。、

 
パックテスト、5分もかからないうちに牛乳を一滴落とした水道水に色の変化が現れました。「牛乳一滴落としても水は大変汚れてきます。皆さんが台所で、何げなく流している牛乳やジュース、食べ物は川の水にとっては汚れの原因になります。飲み残すことなく食べ残すことのないように気をつけましょう」と話されていました。みんな元気よく「はーい」と返事です。犬鳴川はもっときれいになるでしょう。 

昔の犬鳴川について
 昔の犬鳴川について水質保全モニターの澤田さんにお話をしていただきました。「昔は川はきれいな水が流れていた。畑から取った大根や白菜などの野菜を川で洗ったり、生活に必要な水でした。昭和30年頃まではプールの代わりに川で泳いでいました。人口が多くなって生活排水が多く流され汚れるようになった。みんなで泳げる川を目指す活動をしている。ゴミを拾う活動している。宮若市は遠賀川では上流にあたり、下流の人々にきれいなな水を届けられるよう頑張っています。」と話された。

 
 
 宮若市立笠松小学校校長先生のお礼のあいさつがありました。「発見したこと・気づいたことがたくさんあると思います。川を汚さないようにするために、自分たちにできそうなことを考え、実行し、また、たくさんの人に伝えましょう。」と話された。

地域の皆さんが応援に来てくれました
上有木川がながれる笠松地区には地域住民や地域自治会、地域内企業そして行政からなる「笠松地域環境対策会議」が設立され、笠松地域における環境整備のため、クリーン作戦の実施、植樹等の緑化推進などを中心とした活動を行なっています。
今回は「犬鳴川清流ルネッサンス」として小学生の児童が安心して学習できるように支援いただきました。
「子ども達が少なくなって川で遊ぶ姿を見かけなくなりましたが、この様に生き物調べなどがあると、子ども達も大変興味を持って楽しみながら学習できたのはよかったです。」と話されました。

 
 
 
 笠松地区ではゴミの分別を公民館でも行なっています。シートの上には今日拾ったゴミです。