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タガッパ・ゼミナール

~大人のための河川環境ゼミ~

第1回 「世界の水事情について」 
第3回 「森林の再生について」 
第4回 「遠賀川の水質浄化の取り組み」 

第3回 遠賀川と魚について
講師:渕上 信好氏

 11月16日、田川市田川中央公民館で田川ふるさと川づくり交流会主催の「第3回目のダガッパ・ゼミナール~大人のための河川環境ゼミ」が開催、今回のテーマは「遠賀川と魚について」、魚にとても詳しい飯塚市在住の渕上信好氏のお話がありました。

渕上氏は「遠賀川の魚おやじ」として有名で、遠賀川の環境学習や水質調査など、子どもから大人まで親しまれています。
今回の講演会では、遠賀川にいる外来種や、めだかの見分け方などを教えていただきました。

遠賀川には、カムルチー・タイリクバラタナコ・カダヤシ・ブルーギル・オオクチバスがいるそうです。カダヤシはメダカと間違えやすいそうです。

メダカは他の幼魚と間違えやすいそうですが背びれは尾びれの位置が違うそうです。
下の絵では黒で描かれている部分がめだかです。
メダカは川の中を泳いでいる時、上から見ると尾びれが左右によく動くそうです。
 
   
   
   
   


4回 遠賀川の水質浄化の取り組み
講師:原口 公子氏

 
 
 12月8日(土)、元北九州市の水道局や環境局の職員で、現在北九州市立大学国際環境工学研究科 戦略的水・資源循環リーダー育成事業特任教授の原口さんの講演会、テーマ「遠賀川の水環境と浄化の取り組み」(主催が田川ふるさと川づくり交流会)が開催されました。

北九州市の水道水の水源の約60%が遠賀川が水源となっています。しかし、他の水源と水質を比べると同じようではないようです。水源が良い水なら薬品(お金)も手間もかからないということです。以前遠賀川の下流の水は臭いもきつく、上流の水と比較すると悪い印象がありましたが、現在北九州市では「高度浄水施設:自然浄化作用を持つ微生物を利用して、安全で良質な水を作る施設」で対応、安心でおいしい水道水を供給しているそうです。

「身近な水辺に足を運んでみましょう。水を感じること、水がどこから来てどこへ行くのか考えてみませんか。森や木々・みが新しい木を育てる上流の人達。土作り野菜を育てる人達、水を作っている人達、水に係った人達に思いをはせていただきたい」と話されました。

参加者の感想
①お金も手間もかかる水問題。自分達が飲んでいる水がどのようにして生まれてきたか、みんなで考える良い機会となりました。水道水を作るのにとても苦労されていること、改めて安心でおいしい水がつくりだされていると感じました。
②下流に行くほどおいしいみづが飲めるような気がしていたが、浄化施設の高度化でおいしくなっていることを知りました。遠賀川の水が他の水源より悪いと聞いてショックでした。処理しても水道水基準に達しない場合は水は水道水として使われまいということです。


講演要旨 

遠賀川はどんな川
   
        遠賀川

源流」:馬見山(標高978m)
流路延長:61km
流域面積:1.026km
山地:80%
平地:20%
流域内人口:67万人
人口密度:650名/km
流域市長村 6市13町1村
遠賀川は流域の貴重な水源です


が国土交通省が調査している水質調査地点。
遠賀川下流で北九州市も調査を行っている

遠賀川は流域の貴重な水源です
 
遠賀川の特徴として地域の人々と一緒になって発展した川と言える。 

川ひらた(山本作兵衛氏の炭坑画)

北九州市の産業発展に大きく貢献した筑豊の石炭産業。遠賀川流域の炭鉱郡は明治・大正・昭和と日本の産業を支え続け、特に第二次世界大戦後の日本の復興には大きく貢献した。
   
   利水状況

遠賀川河川事務所の直轄区間内の堰数が75と非常に多く、かんがい期には堰の湛水区域が連続する特殊な光景を示す。

流路延長当たりの水利件数は九州管内の一級河川で最も水利用が多く。農業用水や飲料水として上流から水が利用されている。
遠賀川の水質
現状と要因
  平成23年度水質ランキング

遠賀川の水質は全国では
144位、九州の一級河川では24位。

彦山川は全国では116位、九州一級河川では18位となっている

 
   
   遠賀川流域の汚水処理普及率は60%
上流域では下水道施設より合併浄化槽を進めている。
   
   

行政の対策
行政の取り組み  
  河川浄化事業 
 ・流域6ヶ所に礫間浄化法、土壌浄化法、マイクロバブル設置などの施設を施工。
水辺空間の設備
 ・福智川、溝掘(直方河川敷)など
   


 

北九州市の水道

 水道の目的:清浄 豊富 低廉
 1960年~70年代に開けて水道が普及してくると、これまでの水系伝染病患者が激減してきた。

水源水質の特徴:河川表流水
 ・気候、天候の影響を受けやすい。
 ・夏季・冬季の水温の変動が大きい。
 ・降雨により一時的な水質変動が起こる。
 ・流域の産業活動、農業降水、生活排水等の影響を受けやすい。
 ・トリハロメタン、異臭味。化学物質
   
 北九州の水源 水源である河川の水質特徴 

水道水ができるまで

   
   
   
   
   
   
   
   

住民の取り組み