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 国土交通省遠賀川河川事務所では小学校などの総合学習の時間などで川や環境学習をする場合、様々な支援を行なっています。また、遠賀川水系水質汚濁防止連絡協議会の取り組みの一環として、遠賀川水系の各河川で小学校などが水生生物調査を実施する場合は、国・県・地元市町の職員が一体となって支援しています。

参加小学校の児童を5人~7人に班分けをして、職員さん達が班長として指導します。初めて班長になった方は、水生生物について児童達と共に学んで、「川の中にはこんなにたくさんの水生生物や魚が棲んでいることに改めて感動した。人のためだけではなく、すべての生きもののために川をきれいにしないといけないと感じました。とても勉強になりました」と話されていました。


この水路(下境第二排水樋菅)は以前は3面張りの水路でしたが、エコロジカルネットワーク再生事業として住民の声を活かした自然再生事業計画で進められ、現在、本川(彦山川)に近くなるとオギが生え、緩やかな傾斜となって小川が作られています。近くの直方市立下境小学校の四年生が生物調査を行うなど身近な川となっています。

「エコロジカルネットワーク再生事業」とは。
昔の遠賀川は、川に住んでいる生き物たちが、簡単に田んぼや池や水路を行き来してました。川にすんでいる生き物の中には池や田んぼで産卵するものもいます。しかし、今の遠賀川は洪水から私たちの暮らしを守るために堤防がつくられています。堤防は安全な暮らしをしていくためには必要ですが、川へ注ぐ排水路がコンクリートで覆われ、さらに堤防によって段差ができ、生き物たちがのぼりにくくなっています。

そこで、遠賀川河川事務所では、「エコロジカルネットワーク再生事業」として、昔のように生き物が川から水路、そして田んぼや池へのぼれるようにする工事を進めています。下境第二排水樋菅(排水路)は住民ワークショップ「生物のすみやすい川づくりを考える会」を開催して豊かな自然になることを目指して取り組んでいます。

この水路で 10月21日(月)、直方市立下境小学校の児童が水質調査や水生生物調査を行ないました。この水路でどのような生態系ががはぐくまれているのか貴重な調査となっています。どんな生き物たちが棲んでいるのか、子ども達は調査をするのがとても楽しみです。

水質検査では水路の水(彦山川)と水道水を、COD(簡易パックテスト)検査と透視度計を使った検査や色や臭いなど、それぞれ調べました。

水の色は「少し濁っている」「黄色っぽい色をしている」、においはないなど児童たちは一人ひとり手に取って調べていました。パックテストも川の水は数値が6〜8、水道水は数値0〜4でした。透視度計では、川の水は40~70と班によっては開きはありましたが水道水はよく見える最高数値の130でした。「やっぱり水道水はきれいだった。安心した」と児童の笑い声。

水生生物調査では本線に近い所で調査をしました。魚や小さい生物調査の仕方などを学んで早速川の中へ。水路は程良い小川になっていて、児童達は、魚やエビなどを網で夢中にとっていました。網を川の中に入れるたびにたくさんの生きものが捕れ、児童達は大はしゃぎ。班長さんに「これ何という魚」「魚やエビがいっぱい捕れた」ととても喜んでいました。

たくさんとれた魚達の種類や数によって水のきれいさがわかります。スジエビやカワニナが多くとれました。「少しきたない水に棲む生きもの」の指数の水生生物です。また、オイカワやドンコを捕まえてびっくり。魚とりはやはり子どもたちは楽しそうでした。調査結果は教室に帰ってもっと詳しく調べるそうです。

「こんなにたくさんの生きものがいることは知らなかった」「いろいろな生き物たちを見つけられて良かった」「みんなで協力して調べられたのでよかった」などの感想がありました。

 
   
   
   
   
   
   
 
 
   
   
   
   
   
   
   
   
 
 
 
 
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