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政令指定都市でありながら北九州市ではたくさんの川でホタルを見ることができます。これは地域の皆さんがほたるの棲みやすい環境を長年にわたり守る活動を続けられてきたからです。ホタルの舞う時期、地域の皆さんは、身近な川を飛ぶホタルの飛翔数を調べホタルの見ごろなど、マップでお知らせしています。

北九州市八幡西区香月を流れる黒川は新幹線や都市高速道路の下を通り住宅地を流れている都市型の川です。黒川にも以前はたくさんのほたるが飛んでいました。そのホタルを呼び戻そうと地元の皆さんが、1992年からほたるの棲みやすい環境づくりに努められました。清掃活動や外来雑草の除去作業、水路の維持保全活動、水路周辺の草刈りや、水路の石を並び替える作業など。また、ホタルの餌となるカワニナが棲みやすい水路も作ってきました。今では北九州市の中でもホタルの名所となり、毎年行なわれる「香月・黒川ほたる祭」には大勢の見物人でにぎわっています

黒川は上流を北九州市、中流を福岡県県土整備事務所、下流を国土交通省遠賀川河川事務所が河川管理しています。ほたるの棲みやすい多自然型の川づくりがすすめられ、住民と行政と、協働してたくさんのホタルが舞う里づくりを目指してきました。

今秋、香月中央公園に近い、黒川に「皆さんの活動の拠点に」とほたる館が完成、北九州市では小倉北区熊谷に続く2カ所目となります。館内は、ホタル展示室や学習室や話し合いができる会議室等が設けられています。ホタル展示室では、ホタルをパネルを使ってわかりやすく紹介するコーナーや、ホタル生態水槽、ホタル模型(卵から幼虫、さなぎ、成虫の形態及び発光を観察できる。)黒川流域に生息している魚類などの展示している黒川生態水槽。パソコンで見るパソコン図鑑など、ホタルをもっと知ることができます。

10月25日(金)、北九州市各地からホタル愛護団体の代表のみなさんや地元の関係者が集い「北九州市香月・黒川ほたる館開館記念式典」が行われました。台風で天候が心配されましたがとどこおりなく式典を終え、参加された皆さんは館内を見回って、そのすばらしさに笑顔が絶えません。残念ながら、式典には、子どもたちが台風のため参加できませんでしたが、子どもたちの大好きなホタルや魚たちにいつでも会えるということで、楽しみにしているそうです。

ほたる館の運営は「香月・黒川ほたる館運営協議会」で行ないます。これまでホタルを守る活動をされてきた皆さんもいらっしゃいます。やさしい笑顔で訪れる人を癒してくれるでしょう。今後、地域の交流の拠点をはじめ、韓国の人々との交流、大人と子ども達との3世代交流など素晴らしい集いの場にほたる館はなることでしょう。

開館時間は9時から7時(休館日毎週水曜日・年末)。皆さんに会えることを楽しみにしているそうです。